リートニア序曲について


ハロルド・ワルターズの作品(1957年)

近年演奏する機会の少ない曲ではありますが、ワルターズの作品の中では、最もがっちりとした骨格と充実したバンド・サウンドを持つ楽曲で、彼の代表的な作品の一つといえるでしょう。今回の演奏会では、このリートニア序曲を一部の二曲目に披露いたします。

作品の経緯についてはあまり知られていないのですが、一説では、アメリカオハイオ州にあるリートニア村に因んだもの(村の関係者から委嘱された等)ではないかともいわれています。

曲目について

ワルターズの曲目のほとんどにいえることですが、スクールバンドのために書かれたような、単純なメロディーの中に旨味がある、興味をそそる一面が多々あります。そしてそのメロディーは、一度聴くと頭の中にずっと残ってしまうという、恐ろしい曲です(笑)

また、起承転結がしっかりしているので、曲の展開もわかりやすく音楽を指導する側からしても、曲を完成させるのに時間はかからないとも思えますが、深く入れば入るほど、この曲の楽しさを何度も味わえる…そう、「噛めば噛むほど味わいが出てくるスルメ」みたいな曲だと思います。

ハロルド・ワルターズの曲

前回のホルストバンド(第三回スプリングコンサート)の際にもワルターズの曲(西部の人々)をとりあげましたが、最近の中高生ではあまり演奏会には取り上げられないように思えます。どうも近年では、複雑怪奇な曲とか派手な曲とか、演奏技術を見せつけたり圧倒させるようなものが好まれる傾向なのでしょうかね。私たちが現役中高生のころは、「聴かせる音楽」「楽しむ音楽」というものが多かったと思えます。

彼の曲の中で「インスタントコンサート」という楽曲があります。一曲の中にたくさんのクラシック作品が並べられています。演奏する側も「この曲ってなんだっけ?」とか楽しみながら演奏が出来るとても優れた作品だと私は思います。


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